卒業生の今

北高を卒業して40年近くになります。この間、卒業とともに地元を離れてしまった私は、北高の卒業生であることを誇りに思いながらも、ほとんど何も縁を持てずに過ごしてきてしまいました。数人の友人と幾度か会った以外、同窓会のような集まりに顔を出したこともなく、大半の同級生からは、行方知れずと思われているのではないかと気になっていました。

「自主・自律・自学」の精神がしっかり根付いていた北高は、生徒を校則で縛るようなことはせず、生徒の自主性や意思を尊重していました。その考えの基には、生徒に対する「信頼」が流れていたと思います。手に入れた自由を謳歌する以上に、この「信頼」に応えるべき自己研鑚の意識が芽生えたことを覚えています。

それまで野球ばかりしてきた私は、違ったことをしてみたくて、入学と同時にバドミントン部に入部しました。バドミントンは、今でこそ、オリンピックで日本選手が活躍する種目の一つに数えられるようになりましたが、当時は、ややマイナーな部類でした。傍から見ていると案外楽そうに見えるこのスポーツは、実際にやってみるととんでもなくハードなもので、体力強化と足腰の鍛錬のために日常の部活動の大半は走ってばかりいて、帰宅後は、疲れ果てて何もできなかったように思います。それで、2年生になる時に思い切って帰宅部の道を選びました。それからというもの、学校の門を一番先に通り抜けていたような気がします。

初めての一人暮らしを経験した大学生活も大変充実したものでしたが、ここで恩師であるゼミの教授と出会いました。この、メーカー勤務経験のある教授から、「君のキャラはメーカーが一番合う」と何度も諭され、今の会社に入社するきっかけとなりました。

事務系であった私は、これまでに営業部門、管理部門、生産部門など事務職が配属される大半の職場を経験させてもらいましたが、それが今非常に役に立っています。そして、社長になった今、社員への「信頼」を意識した経営を目指しています。

高校生という、人として一番大きく成長する非常に重要な時期を北高で過ごし、恩師から学問だけではない数多くのことを学び、多くの友人と大切な時間を共有することができたことに今更ながら感謝しています。今の私の基礎は、北高時代に培われたと思っています。今回、こうした振り返りをさせていただく機会を与えて下さった関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

西戸 徹

 


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